住宅などの不動産をお持ちの方のなかには、売却先として身内を候補とする方もいると思います。
そこで今回は不動産売却を検討している方に向け、手持ちの不動産を家族や親族などの身内に売る方法と、知っておきたい注意点についてまとめてみました。
通常の売却とは違う?手持ちの不動産を身内に売却する方法
不動産を身内に売却する場合、「身内だから手続きは適当で…」「身内だから少し価格を安くしよう」などと思うかもしれません。
しかしたとえ身内に売却する場合でも、一般的な不動産売却の手順を踏むことが重要です。
なぜならば大きなお金が動く不動産取引では、手続きの不備により思いがけず脱税となってしまったり、後々トラブルになったりする可能性があるため。
身内に不動産を売却する方法としては一般的な不動産売却と同じように、きちんと仲介業者を立てて以下のような流れでおこなうことが基本となります。
<身内に不動産を売却するときの流れ>
①登記事項説明書を確認する
②査定や国税庁の路線価図で相場を調べる
③売買契約をする
④所有者権移転登記をする
不動産を身内に売却するにあたり知っておきたい注意点
次に、手持ちの不動産を身内に売却するときの注意点を挙げてみましょう。
<「みなし贈与」とされる場合がある>
身内に不動産を売却するとき、価格を相場より格安にしたり、不動産を売る代わりに借金を帳消しにしてもらったりした場合、贈与とみなされて贈与税が課せられることがあります。
これは「みなし贈与」と呼ばれるもので、身内との売買取引ではとくに注意したいポイントです。
「みなし贈与」にならないためには、適正な価格設定をするなど前述した方法で、きちんと手続きを踏んで契約を結ぶことが大切です。
<3,000万円の特別控除が使えない>
通常、住居用住宅を売却して利益を得た場合、譲渡所得から3,000万円の特別控除が受けられます。
ただし売り手と買い手が親子や夫婦、生計を一にする親族、同居する親族、内縁関係にある人など身内間の不動産取引では、この特別控除が受けられないので注意しましょう。
<住宅ローンが通りにくい>
身内間の不動産取引の場合、金融機関の住宅ローンが使えない可能性があります。
なぜなら金融機関としては「住宅ローンの不正利用を避けたい」との懸念があるため。
また身内間の不動産取引では、住宅ローンの保証人となる保証会社が身内間の取引を保証の範囲外としていることが多いのも、住宅ローンが通りにくい理由となっています。
まとめ
不動産を身内に売却する方法と知っておきたい注意点は、ご理解いただけましたか?
身内だからと価格や契約を適当にしてしまうと、あとで厄介なことになりかねません。
税金の問題や契約上のトラブルを避けるためにも、きちんと対策したいですね。