高齢化に伴い、認知症患者数は年々増加傾向にあります。
これにより、不動産の売却に関しても、認知症患者の所有している物件について、家族や親族によって売却をおこないたい、といった需要の高まりを見せています。
そこで今回は、認知症の方が所有する不動産について、売却方法や注意点などをご紹介します。
認知症の方が所有する不動産を売却する場合 方法と売却の流れ
一般的に、不動産の売却や譲渡には、所有名義者本人の意思確認が求められます。
しかし、医師により認知症と診断を受けた場合、基本的には意思能力がないと判断されるケースが多く、この場合不動産の売却や譲渡はできません。
こうした本人に意思能力がない場合の財産の処分や取引では、「成年後見人制度」に則り、選任された成年後見人が本人の代理を務めることが一般的です。
成年後見人制度での不動産売却の流れは、次のようになります。
●家庭裁判所に成年後見人制度開始の審判を申し立てる
●家庭裁判所の指定する医師による診断および診断書の作成
●成年後見人が選任される
●不動産業者への依頼と買主募集
●成年後見人と買主との売買契約の成立
●家庭裁判所の売買契約への許可を受け、精算と登記の移転をおこなう
成年後見人の選任には、申し立てから1~2か月ほどかかるケースが一般的です。
必要な書類は自治体ごとに異なりますが、申し立て申請書類や住民票、戸籍謄本、診断書、などが必要となります。
認知症の方が不動産を売却する際の注意点
不動産を含む財産の処分・管理には本人の意思能力が必要です。
認知症は軽度から重度まで進行により症状はさまざまですが、本人に病識があり、また比較的軽度で意思能力が認められる場合は、事前の手続きでスムーズな売却が可能となります。
意思能力があれば、あらかじめ信託を利用し、第三者に財産の管理・処分を委託することも可能です。
このほかにも、公正証書などをあらかじめ作成し、本人の意思のもと任意後見受任者を選定する方法も挙げられます。
認知症は病識のないまま重度にまで進行して初めて明らかになるケースも少なくなく、こうした場合では家族間、友人知人などの日常的な声掛けや気づきが非常に重要です。
いずれの場合であっても、一人で悩まず、より多くの人から助けを得ることのできる環境を整えておくことが一番の予防策といえるでしょう。
まとめ
今回は、認知症の方が所有する不動産について、売却方法や注意点などをご紹介しました。
不動産を含む財産の処分・管理には所有者本人の意思能力が求められ、これが認められない場合は成年後見人制度を利用することになります。
自分だけでなく周囲の人と一緒に成年後見人制度を調べておく、市民講座などに参加するなど、あらかじめ小さな準備をしておくことが、のちの手続きを容易にすることにつながるでしょう。
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